比が出てくる式?イコールで結ばれていない式?
今回は、方程式とはまたちがった式を取り上げます。
1つめは比例式、2つめは不等式です。
まず比例式の説明をします。
例えば 1 : 2 = 3 : 6 のような、比が等しいことを表す式を比例式といいます。
そして比例式 a : b = m : n ではこのことが成り立ちます( a , b , m , n は0ではない)。
a:b=m:n ならば an=bm (比例式の性質)
比例式の性質を使うことで、例えば、x : 10 = 3 : 2 の場合、 x × 2 = 10 × 3 だから 2x =30 より x = 15 というように、xの値が求まります。
しかし、比例式では答えを求めることよりも大切なことがあります。
比例式の性質をさらっと書きましたが、あることをふと疑問に思いませんでしたか?
「なんで a : b=m : n ならば an=bm になるの?」
この謎を解決するために1つ、問題を解いてみましょう。
つまり、 1 : 4 = x : 240 において240は4を60倍したものである、だからxは1を60倍したものである、という考えです。
したがって 1 : 4 = 60 : 240 です。
今度は逆に4は240をどうしたものなのか?1は60をどうしたものなのか?を考えてみましょう。
どっちもすぐに分かりますね。
4は240を60で割ったもので、1も60を60で割ったものです。
よって下の通りです。
本番はこっからです。
今度は 5 : 7 = 1 : y を満たすyの値を求めてみましょう。
1は5を5で割ったものです。
よって y=7 ÷ 5 = 7/5 です。
このことを a : b , m : n に対して行い、ともに 1 : ■ の形にします。
よって、 a : b = 1 : (b/a) , m : n = 1 : (n/m) であることが分かりました。
…そういえば、 a : b = m : n でしたよね。
だから 1 : (b/a) =1 : (n/m) です。
当然(左辺の1)=(右辺の1)なのだから b/a=n/m でなければなりません。
ね、 a : b = m : n ならば an = bm になったでしょ?
次は不等式について説明します。
突然ですが、 1 + 1 = 2 です。
1 + 1 = 2 なのだから「3は 2 = 1 + 1 より大きい」、「0.5は 2 = 1 + 1 より小さい」と言えます。
先程出てきた「より大きい」「より小さい」、これらは数学においては不等号 >,< を使って表現します。
当たり前のことですが >,< は不等号を書いたのであって顔文字を書いたのではありません。
これらを用いると「3は2より大きい」「0.5は2より小さい」は下のように書けます。
3は2より大きい→ 3 > 2
0.5は2より小さい→ 0.5 < 2
また、「~以上である」「~以下である」を言うにはそれぞれ ≧,≦ を使います。
…当たり前のことですが ≧,≦ は不等号を書いたのであって顔文字を書いたのではありません。
これらを使って「aはb以上である」「aはb以下である」は下のように書きます。
aはb以上である→ a ≧ b
aはb以下である→ a ≦ b
0.5 < 2 , a ≧ b のように、不等号を使って数量の間の関係を表した式のことを不等式といいます。
ちなみに「~より小さい」は「~未満」とも言います。
ここまでで「以上」、「以下」、「未満」が出てきたのでa以上、a以下、a未満はそれぞれどんな数なのかをまとめます。
a以上…aと等しいか、それより大きい数
a以下…aと等しいか、それより小さい数
a未満…aより小さく、aと等しくない数
よって、x < 224000 において、xは224000未満です。
ピタリ1、ではありません。
あっ、x = (筆者の月収) です。単位は円です。
てなわけで、くだらない天丼や筆者の収入事情をぶちかましたところで説明を終わります。