平方根
九九は因数分解のところで出てきましたがここでもまた使います。
九九を思い浮かべてみて下さい。
3 × 3 = 9 や 5 × 5 = 25 といった、○ × ○ = □ の形をしている式がありますね。
これらは中1数学の累乗で ○ × ○ = ○2 と表しました。
したがって 3 × 3 = 32 = 9 、5 × 5 = 52 = 25 です。
九九において □=○2 が成り立つ □ の値は以下の九つです。
1 , 4 , 9 , 16 , 25 , 36 , 49 , 64 , 81
□ に入る数を 10 , 11 , 12 , … と大きくしていけば □ の値も大きくなります。
しかしそれでもすべての数が □ に入るわけではありません。
?×?=2 となる式を、九九の表を見ても出てきませんよね。
だから □ には一部の数しか入らない…では終わりません。
ていうかそれで終わらせないのが数学ってえ奴です。
次のことを考えます。
「もしも、?×?=2 を満たす値 ? が存在するとして、その ? とはどのような値なのだろうか?」
12 = 1 、22 = 4 だから?=x とすると 1 < x2 < 4 、
つまり 1 < x < 2 が分かります。
1.52 = 2.25 で、2より大きいから 1 < x2 < 2.25、
よって 1 < x < 1.5 です。
1.412 = 1.9881 、1.422 = 2.0164 だからさらに絞り込んで 1.41 < x < 1.42 。
どうやら?=x の整数部分は1、小数第一位が4、第二位が1のようです。
今度は小数第三位を1とか2とかにして・・・とやっていくと x2 の値は2になります。
このようなxを小数で表すと
x = 1.14142135623730950488016887242096・・・
と限りなく続く値となります。
だから2乗して2になる値は
1.14142135623730950488016887242096・・・
とパソコンに入力するなり紙に書いていく途中で「こんな長ったらしいもん書けるかぁ!」と激しいツッコミが入ること間違いなしでしょう。
現に二回目の 1.14・・・、これは
ctrl + c → ctrl + v
を使った。
だって長いんやもん。
小数点以下に何十個も何百個も数を書いてらんないじゃないですか。
だから質問が来るんです。来たんです。
「もっとカンタンに書けへんのか」と。
でも2乗して2になる値は小数点や記号 +-×÷ を使っただけじゃ表せない。
だからこうしたのです。
x =
?=
1.14142135623730950488016887242096・・・
= √2
・・・なんと、今まで存在しなかった新しい記号 √ を勝手に作って強引に解決してしまいました。
記号 √ は「るーと」と読み、√2 は「るーとに」と読みます。
一般に、ある数 x を2乗すると a になる、すなわち x2 = a であるとき、x を a の平方根といいます。
例えば 32 = 9 、( -3 )2 = 9 だから 3 、そして -3 も 9 の平方根です。
また、2乗して 0 になる数は 0 だけであり、どんな数を2乗しても負の数にはなりませんから a < 0 のとき、a の平方根はありません。・・・中学数学では。
二乗して 2 になる数は √2 だけでしょうか?
いいえ、もうひとつあります。
-√2 です。
なぜなら、
と計算出来るからです。
ですから -√2 もまた2乗して 2 になる数です。
したがって2の平方根は √2 と -√2 のふたつです。
それらはまとめて ±√2 と書けます。
±√2 は「ぷらすまいなするーとに」と読みます。
a > 0 のとき、a のふたつの平方根のうち正のほうを √a 、負のほうを -√a と書きます。
また、√0 = 0 とします。
このことを用いると、根号を使った数のなかには √ を使わないものに変形できます。
例:
√25 は 25 のふたつの平方根のうち正のほうであるから 25 = 52 より √25 = 5
-√16 は 16 のふたつの平方根のうち負のほうであるから 16 = 42 より -√16 = -4
次に平方根の大小を調べます。
√2 と√5 。
どっちが大きい値でしょうか?
√2 を二乗すると 2 、√5 を二乗すると 5 です。
2 < 5 より ( √2 )2 < ( √5 )2 で、√2 < √5 です。
一般に a , b が正の数で a < b ならば √a < √b が成り立ちます。
最後に数の分類をします。
数といっても大まかに分けて2種類あります。
4 や -1.5 、0.4 などは有理数です。
これらにはある共通点があります。
それは全て分数に直せることです。
4 = 4 / 1 、-1.5 = -3 / 2 、0.4 = 2 / 5 であり、aを整数、bを0でない整数として a / b と表せる数が有理数です。
一方、c を正の数だが (自然数)2 でない数として、√c は分数で表すことが出来ません。
そのような数を無理数といいます。
以上、今まで出てきた数をまとめます。
・・・じゃあ質問です!
花は自分からミツバチを探しに行きますk・・・それじゃあブルゾンちえみのネタになってしまう「寒い」と叩かれるんだろうなぁ。
というのは置いといて改めて質問です!
√3500000000 は有理数ですか?それとも無理数ですか?
その答え、を知るには 3500000000 が自然数の2乗になっているかどうかを調べればokです。
3500000000 をそれより小さい自然数の積で表します。
よって
3500000000 = 35 × 100002 ≠ (自然数)2
であり、√3500000000 は有理数ではなく無理数でした。
3500000000 が 35 × 100000000 や
35 × 10000 × 10000 と表されたように、自然数がいくつかの自然数の積で表されるとき、そのひとつひとつの数を、もとの数の因数といいます。
さて、35と10000 、このふたつの数は a , b を自然数として a × b と表せるでしょうか?
表せますね。
35 = 5 × 7 、10000 は 2 × 5000 や 100 × 100 などと同じです。
100 は、さらに a × b に変形できます。
100=10 × 10 です。
さらにさらに 10 も a × b の形になります。
10 = 2 × 5 です。
でも 2、5、7 は 1 × 2 、1 × 5 、1 × 7 としか表せません。
N ÷ n=a・・・0
だとします。
例えば 12 は 12 ÷ 2 = 6・・・0 ですから
12 = 2 × 6 です。
6 ÷ 2 = 3・・・0 だから 6 = 2 × 3 です。
よって 12 = 2 × 6 = 2 × ( 2 × 3 ) 、したがって
12 = 22 × 3 となります。
しかし、2 ÷ 2 = 1・・・0 、3 ÷ 3 = 1・・・0 より 2 = 1 × 2 、3 = 1 × 3 で、2 と 3 の場合 N =1 × N の形であり、N ÷ n = a・・・0の n に当てはまる数が 1 と N しかありません。
また、N を割り切る自然数 n は約数ですから、2 , 3 , 5 , 7 , … は 1 と自分自身でしか割り切ることが出来ません。
そのような数のことを素数といいます。
ただし、1 は素数ではありません。
因数であり、かつ素数であるものを素因数といい、自然数を素因数の積に分解することを素因数分解と言います。
30 を素因数分解してみましょう。
30 ÷ 2 = 15・・・0 より、まず 2 で割れます。
よって 30 = 2 × 15 です。
しかし 15 はさらに素数で割れます。
15 ÷ 3 = 5・・・0 だから 15 = 3 × 5 です。
したがって 30 = 2 × 3 × 5 となります。
素因数分解は次のようにすることもあります。
上のようにして 28 を素因数分解してみましょう。
よって、28 を素因数分解すると
28 = 2 × 2 × 7 = 22 × 7 です。