しっしーのお計算ん向上委員会

計算の解説に究極特化してます。計算は、すっごくたのしい遊びだよ!!

二項定理 演習2

次のものを求めてください。

 

 

( x-2y )8 の展開式における x5y3 の係数

 

( a+b+c )10 の展開式における a2bc7 の係数

 

( x2+x+1 )10 の展開式における x5 の係数

 

( 2x-y+z )8 の展開式における x2y3z3 の係数

 

xの式( 1+x+ax2 )6 を展開したときのx4 の係数が最小値をとるときのaの値

 

( x- 2/x +2 )9 を展開したときのx5 の係数

また、全ての係数の総和(ハイレベル)

 

( x2- 1/2x3 )5 の展開式における定数項

 

( 3x2+x-2 )5 の展開式における x6 の係数

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:manaveemath:20190406210718j:plain

f:id:manaveemath:20190406210732j:plain

f:id:manaveemath:20190406210755j:plain

f:id:manaveemath:20190406210814j:plain

 

まず多項定理(項が3つ)の振り返りをします。

f:id:manaveemath:20190406212307j:plain

 

ところで、重要なのは1行目と2行目のどちらだと思いますか?

 

答えは1行目、ではありません、2行目です。

 

多項定理に限らず、他の公式、その適用条件をしっかりと見直しましょう。

 

2-1

f:id:manaveemath:20190406212637j:plain

 

3-1

f:id:manaveemath:20190406212651j:plain

 

3-2

「pは整数」ではなく「p∈Z」と書くと数秒を稼げます。

 

また、特定の数をアルファベットで表すときがあります。

 

複素数・・・C

自然数・・・N

有理数・・・Q

実数 ・・・R

整数 ・・・Z

 

5-1

こちらで紹介したやり方で、2行で片付けましょう。

 

f:id:manaveemath:20190406213108j:plain

なんて計算してたら試験時間、来来来世まであっても足りませんヨッ!

 

6-1

3つの項全てに 9・8 があるからまとめるのは最後にします。

 

分配法則が使えないか考えます。

 

6-2

 多項式 P(x) の全ての係数の総和は P(1) 、すなわち

x = 1を代入すると得られます。

 

が、それで終わってしまっては暗記数学と何ら変わりありません。

 

なのでこれから解説をします。

 

そもそも、

多項定理 = n個の箱からボールを1つずつ選ぶこと

です。

f:id:manaveemath:20190406213647j:plain

 

今回の式 ( x- 2/x +2 )9 では、こうなります。

f:id:manaveemath:20190406214004j:plain

 

次に、xp-q の指数のハンイを考えます。

 

xの指数が最大になるのは xを9コ、-2/x を0コ選んだときで、最小になるのはxを0コ、-2/x を9コ選んだときです。

 

よって、f(x) =  ( x- 2/x +2 )9 とすると、

f:id:manaveemath:20190406214305j:plain

 

と表せます。

 

今回求めるのは全ての係数の総和ですから、問を満たす値は

f:id:manaveemath:20190406214404j:plain

 

ということになります。

 

次に、①と②とを比較します。

f:id:manaveemath:20190406214441j:plain

 

①と③とが同値でなければなりませんから、

f:id:manaveemath:20190406214520j:plain

 

を満たす必要があります。

 

これを成立させるxの値は1、よって x=1 です。

 

確かに

f:id:manaveemath:20190406214607j:plain

 

より、求める値と同じです。