1次関数と方程式
さて、この単元では方程式と1次関数をリンクさせて考えます。
まずは2つの文字 x , y を含む2元1次方程式
2x + y = 3 - ①
において、xにいろいろな値を代入してみましょう。
今度は、上の x , y の値を座標( x , y )とみなしてグラフをかきます。
上のグラフのように、2x + y = 3 を満たす( x , y )の値の組はいくらでもあります。
さらに多くの( x , y )の組をとってグラフをかきます。
式①において、xにある値を代入するとyの値がただ1つに決まりますから①は関数です。
2x + y = 3 を y = ax + b の形にするために2xを移項して
y = -2x + 3 - ②
にします。
y = -2x + 3 は傾き-2、切片3の1次関数です。
したがって、方程式はグラフとして考えることができます。
そして y = -2x + 3 、すなわち傾き-2、切片3の直線を方程式 2x + y = 3 のグラフといいます。
2元1次方程式のグラフは、グラフが通る2点の座標を求めてかくこともできます。
例えば方程式 2x – 3y = 6 のグラフを図示してみましょう。
2x – 3y = 6 は x = 0 のとき y = 2 、
y = 0 のとき x = -3 です。
よって、グラフは( 0 , 2 ), ( -3 , 0 ) を通る直線です。
このようにして、2元1次方程式のグラフをかくことができます。
今度は2元1次方程式 ax + by = c の
a = 0 のとき、 b = 0 のときを考えます。
まずは a = 0 の場合です。
方程式 2y = 4 のグラフをかいてみましょう。
2y = 4 は、 0x + 2y = 4 と同じです。
また、0に何を掛けても0になりますからxがどのような値をとっても 2y = 4 、つまり y = 2 が成立します。
よって、グラフは下の通りです。
次はb = 0 の場合です。
例えば 3x = 6 のグラフはどうなるでしょうか?
3x = 6 は 3x + 0y = 6 と同じです。
よってyがどのような値をとっても 3x = 6 、
つまり x = 2 です。
よって 3x = 6 のグラフは下の通りです。
以上から、
2元1次方程式 ax + by = c (a , b , c は定数)
のグラフは直線になります。
特に a = 0 , b = 0 の場合は下のようにかけます。
最後に、2つの2元1次方程式を同一座標平面上にかきます。
方程式 2x - y = 1 - ③ , x + y = 5 - ④
のグラフを図示します。
どうやら③、④は点 ( 2 , 3 ) で交わるみたいですが…。
次は③、④のxにいろいろ代入したときのyの値を調べます。
すると、x = 2 のとき 2x - y = 1 , x + y = 5 、そのどちらも y=3です。
今度は連立方程式
を解きます。
(③+④)より 3x = 6 だから x = 2 です。
これを④に代入して 2 + y = 5 、y = 3 です。
したがって、③ , ④ のグラフの交点の座標は③ , ④ を組み合わせた連立方程式の解です。
一般に、
(2元1次連立方程式の解)=(それぞれの方程式のグラフの交点)
が成り立ちます。