しっしーのお計算ん向上委員会

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1次関数

 

筆者が考える「中2数学2本柱」の2本目、1次関数に突入します。

 

・・・といっても、「中1の比例で  y = ax  みたいなの出てきたな~」って思えたらそんなに難しくないですよ。

 

というのも、1次関数は一般に  y = ax + b  とかけるからです。

 

比例で扱った関数 y = ax に値 b だけが足されたものでしかないからです。

 

そもそも1次関数とは、2つの変数 x , y について、

y が x の1次式で表されるもののことを言います。

 

あくまで y = ax + b とかける式が1次関数ですから比例・反比例で出てきた y = ax は、b=0 としたものです。

 

 

 


カップラーメンを食べるためにお湯を沸かすことを考えます。

 

水温が15℃で、沸かしてから1分毎に5℃上昇したとします。

 

このときお湯の温度y(度)と経過した時間x(分)の関係は下の通りだとします。

 

f:id:manaveemath:20181204183416j:plain

 

yとxの関係について y = 5x + 15 が成り立ちます。

 

このとき1次関数 y = 5x + 15の値の変化を調べてみましょう。

 

お湯を沸かして1分後から3分後になったとき、お湯は何度上昇したでしょうか。

 

xが1から3に増加したときのxの増加量は1→3、

つまり2です。

 

また、yは( 5 × 1 + 15 )→( 5 × 3 + 15 )、

つまり10です。

 

xが2から7に増加したときxの増加量は2→7より5です。

 

このときyは(5×2+15)→(5×7+15)より、25です。

 

xが1→3、2→7のどちらでもyの増加量はxの増加量の5倍です。

 

よって、

 

f:id:manaveemath:20181204183424j:plain

 

であることが言えます。

 

 

 


xの増加量に対するyの増加量の割合を変化の割合といいます。

 

それは y = ax + b の a と同じです。

 

つまり、

 

f:id:manaveemath:20181204183432j:plain

 

が言えます。

 

上の式から

 

f:id:manaveemath:20181204183441j:plain

 

となり、このaはxの値が1だけ増加したときのyの増加量と等しいです。

 

 

 


先程、1次関数は y = ax + b と同じである、と言いました。

 

また、比例・反比例で y = ax が出てきました。

 

y = ax+b は y = ax に値bを足したもの、と考えられますが、じゃあ値bは何を意味するのでしょうか?

 

y = 2x における x , y  の値の組を調べてみましょう。

 

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今度は y = 2x + 2 における x , y の値を調べてみましょう。

 

f:id:manaveemath:20181204183457j:plain

 

y = 2x、y = 2x + 2について、xの値に対応するyの値を1つにまとめます。

 

f:id:manaveemath:20181204183505j:plain

 

一番下の、3段ある表を見れば分かるように、xのどの値についても、それに対応するy = 2x + 2 の値は

y = 2x の値よりも2大きいです。

 

 

 


y = 2x のグラフは下の通りです。

 

f:id:manaveemath:20181204183512j:plain

 

2x + 2 は、2xに2を足したものです。

 

したがって y = 2x + 2 は y = 2x 上の点を全てy方向に+2だけ平行移動させたものです。

 

f:id:manaveemath:20181204183520j:plain

 

 

 


つまり、y = ax + b のbは、比例のグラフ y = ax のグラフ上の点を全て、どれだけy方向に平行移動させたか、を言い表しています。

 

また、それは、x=0 のときのyの値であり、グラフがy軸と交わる点( 0 , b )のy座標です。

 

この値bのことを、1次関数 y = ax + b のグラフの切片といいます。

 

y = ax + b の変化の割合aは、y = ax + b の傾きといいます。

    

 

 

 

これまでに説明したことをまとめると、

 

1次関数 y=ax+b の

a は傾き、bは切片

 

となります。

 

y = ax + b の a の値が a > 0 , a < 0 のときのグラフです。

 

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1次関数のグラフは、傾きと切片をもとにかくことが出来ます。

 

y = 2x + 1 のグラフをかいてみましょう。

 

切片は1ですから、グラフはy軸上の点( 0 , 1 )を通ります。

 

また、傾きが2ですから、右へ1だけ進むとき、上に2だけ進みます。

 

したがって、点( 0 , 1 )から右へ1、上に2だけ進んだ点(1 , 3 )もグラフ y = 2x + 1 上の点です。

 

よって、2点( 0 , 1 )、( 1 , 3 )を通る直線を引くと y = 2x + 1 のグラフがかけます。

 

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逆に、上のグラフから y = ax + b の a , b の値を求めることが出来ます。

 

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ですから、x=0 のとき y = 1、xが右方向に1進むと上方向に2進むことから a = 2 , b = 1 より上のグラフは y = 2x + 1 であることが分かります。