関数 y = ax^2
円の面積を y (cm2) 、半径を x (cm) として、面積の求め方を覚えているでしょうか?
(円周率)=π とすると、
(円の面積) = (半径) × (半径) × (円周率)
ですから y = x × x × π 、すなわち y = πx2 です。
今度はxに 0 , 1 , 2 , 3 , … を代入したときのyの値を調べてみましょう。
関数は、今まで比例の y = ax 、反比例の y = a/x 、
1次関数の y = ax + b が出てきました。
( 9π - π ) / ( 3 - 1 ) , ( 25π - 9π) / ( 5 - 3 ) ,… より変化の割合が一定ではないから1次関数ではありません。
じゃあ y = a / x でしょうか?
a = π として x = 1 のとき y = π です。
しかし x = 2 のとき y = π / 2 , x = 3 のとき
y = π / 3 , … となり、表と一致しません。
だったら y = ax ?
同様に a = π として x = 1 のとき y = π です。
しかし x = 2 , 3 , 4 , … となると一致しません。
ということは上の表に対応する関数は無いのでは、と思うかもしれません。
しかしそれは関数が y = ax + b , y = a / x しかないと決めつけているからです。
x2 に比例する関数がある、と考えればよいのです。
ということで新たに関数 y = ax2 を導入します。
a = π として y = πx2 となり、x = 1 のとき y = π 、
x = 2 のとき y = 4π 、x = 3 のとき y = 9π 、… で確かに表と一致します。
上の表から分かるように、x2 の値に y の値を対応させてみると、y の値は x2 の値の π倍になっています。
したがって、y は x2 に比例していて、y = πx2 と表されます。
一般にy が x の関数で、y = ax2 と表されるとき、y は xの2乗に比例する、といいます。
次に、y = ax2 のグラフについて考えてみましょう。
はじめに a = 1 のとき、つまり y = x2 のグラフをとり上げます。
x = 1 のとき y = 1 、x = -1 のとき y = 1 、
x = 2 のとき y = 4 、… と計算して y = x2 を成り立たせる x , y の値の組を座標とする点を多くとっていくと、それらの点の集まりは次の通りです。
y = ax2 のグラフでは、例えば x の値が 2 と -2 のように、二つの値の絶対値が等しく、符号が反対のとき、x の値に対応する y の値は等しくなります。
そうなる x , y の値の組を座標とする2点は、y 軸で折り返すと重なります。
また、x = 0 のとき y = 0 です。
このことから y = x2 のグラフは減点を通り、y 軸について対称であることが分かります。
y = 2x2 のとき y は 2x2 に等しく、2x2 = 2 × x2 より、2x2 はx2 を2倍したものです。
よって、y = 2x2 のグラフは
「y = x2 を満たす点、その全てを x軸方向へは動かさず、y 軸方向に2倍したもの」
の集まりである、と言えます。
よって y = 2x2 のグラフは下の通りです。
y = 2x2 のグラフが上のようになるのが正しいことを確かめる方法があります。
xに様々な値を代入するのです。
実際にやってみましょう。
( -3 , 18 ) , ( -2 , 8 ) , ( -1 , 2 ) , ( 0 , 0 ) , ( 1 , 2 ) , … を通るように線を引くと先程かいたグラフと一致します。
よって y = 2x2 のグラフは上の通りです。
y = -bx2 ( b > 0 ) について、-bx2 = ( -1 ) × b × x2 より、y = -bx2 のグラフは次のようにしてかきます。
①:y = bx2 上の点を全てx軸に関して対称移動する
②:操作①を行って打った点を全てつなげる
例えば、y = -2x2 において -2x2 = ( -1 ) × 2x2 より、
y = 2x2 を満たす点、その全てを x軸対称になるように打ち、つなげます。
一般に、y = ax2 ( a ≠ 0 ) のグラフは下のような形をし、かつ4つの性質を持ちます。
y = ax2 の a の値によって y = ax2 ( a > 0 ) のグラフの開き具合は下の通りです。
ただし a = 1 を基準とします。
今までかいてきた曲線 y = ax2 ( a ≠ 0 ) のグラフは放物線と言います。
放物線は対称の軸をもち、対称の軸と放物線の交点を放物線の頂点といいます。
次は、y = ax2 の値が の値の変化に応じてどうなるかを調べます。
y = x2 の x が -3 から 3 になるときの y の値の変化を見てみます。
まず y = x2 のグラフをかきます。
x が -3 → 0 → 3 と変化すると y は 9 → 0 → 9 と変化します。
y の値は x が -3 → 0 のとき減少、0 → 3 のときは増加しています。
一般に y = ax2 ( a ≠ 0 ) の値の変化は下の通りです。
ちなみに a = 0 のとき y の値は常に 0 です。
ある関数が a < x < b において x = a のとき y = c ,
x = b のとき y = d で c < d であるとき y の変域は
c ≦ y ≦ d となります。
つまり変域は、定められた x の範囲の中での
( yの最小値 ) ≦ y ≦ ( yの最大値 )
です。
あくまで変域とは、
( 最小値 ) ≦ y ≦ ( 最大値 )
なのです。
何が言いたいのかというと、p ≦ x ≦ q として
y = ax2 の変域は、p と q の間に 0 が入ると
ap2 ≦ y ≦ aq2 ではなく
0 ≦ y ≦ (最大値)
なのです。
「y = x2 の -1 ≦ x ≦ 3 における変域を求めよ。」と問われたら 1 ≦ y ≦ 9 と答えてはいけません。
x = 0 のとき y = 0 で、0 < 1 < 9 ですから 0 ≦ y ≦ 9 と答えなければならないのです。