合同な図形
平面上の2つの図形について、一方を移動させることでもう一方の図形に重ね合わせることができるとき、この2つの図形は合同である、と言えます。
例えば、下の図で四角形ABCDと四角形A´B´C´D´が合同で、対応する頂点がAとA´、BとB´、CとC´、DとD´だとします。
このとき、
(四角形ABCD) ≡ (四角形A´B´C´D´)
と表します。
記号 “≡” は、合同を表す記号です。
記号 “≡” を使うときは、対応する頂点の名前を反時計回りに沿って同じ順にかきます。
三角形や四角形、多角形において合同な図形では、対応する線分や角は等しいです。
特に、三角形について2つの三角形が以下の3つのどれかが成立するとき、合同となります。
…何も数学をすることは計算すること、だけではありません。
図をかくことも数学してる内に入ります。
もちろん、図はフリーハンドでもかけますが、辺を真っすぐに引いたりちゃんとした円をかくときは道具を使います。
それらが算数で出てきた(よね?)定規やコンパスです。
その2つだけを用いて、与えられた条件を満たす図形をかくことを作図といいます。
ただし、定規とコンパスを用いる作図とは次の2つです。
ではさっそく、作図します。
お題は「∠XOYを二等分する線分の作図」です。
∠XOYを二等分する線分とは、下のような線分のことをいいます。
それでは、作図してみましょう。
上のやり方で∠XOYの二等分線を作図することができます。
…実は作図自体は中1の平面図形で出てきています。
じゃあ何でそこで取り上げず、今ここで取り上げたのか?
それは、平面図形では「方法」しか教えていないからです。
筆者は、方法も大切だと思います。
しかし、同じくらい「なぜ、そうすると出来るのか?」を知る、そして考えることも大切だと思っています。
貴方もそうでしょう?
上司に「~しろ」「~するな」と言われたら「何で?」と思うでしょ?
で、なぜ上のやりかたで作図するのか?
それに応えるために証明はあるのです。
~以下、中学高校大学生に向けて~
「真実」を示せばそれで構わない、そんな状況が与えられていることに感謝しなさい。世の中では間違いなく真実だと断定できることなんかほぼありません。生物は死ぬ、それしか無いんじゃないかと思うぐらい真実なんてものはありません。むしろ社会にでたらそれが真実であることを説明するよりも真実か嘘か分からないことを、あたかも真実だと思わせるように仕組むことが重要視されますから。
~以下、中学高校大学生に向けてのメッセージ終わり~
1より、OA=OBであることが分かります。
また、2でAC=BCであることも分かります。
証明することで ∠XOC=∠YOC 、つまり
∠AOC = ∠BOCを示せばよいわけです。
直線AC、BCをひいて、三角形AOCと三角形BOCにおいてOA=OB、AC=BCならば∠AOC=∠BOCであることを証明します。
図形の性質では、○○○ならば●●●という形で述べられることがよくあります。
「ならば」の前の○○○を仮定、「ならば」の後の●●●を結論といいます。
よって、線分OCは ∠XOY の二等分線であり、∠XOYの二等分線をひく作図方法は正しいことが分かりました。