しっしーのお計算ん向上委員会

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平行線と比

ここでは、相似を用いて辺の長さ、直線の長さを求めることができます。

 

そのために三角形ABCを用意します。

 

その △ABC の辺BCに平行な直線をひき、辺ABの間に点D、辺ACの間に点Eをおきます。

 

このとき△ADE ∽ △ABC が成り立ちます。

 

そのことを証明します。

 

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△ADE ∽ △ABC より、辺の長さの比について、以下の三角形と比の定理が成り立ちます。

 

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この定理を用いると、次の問に答えられます。

 

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三角形と比の定理を用いると、以下のようにして求まります。

 

f:id:manaveemath:20190116172551j:plain

 

このようにして、辺DEの長さは 6cm であることが分かりました。

 

三角形と比の定理には「逆」もあります。

 

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三角形と比の定理について、辺ABの間に点D、辺ACの間に点Eをおきましたが、点Dが辺ABの中点、点Eが辺ACの中点であるとき、また別の名で呼ばれる定理が登場します。

 

それが中点連結定理です。

 

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比を用いて線分の長さを求めることを三角形で行いましたが、今度は平行線で行います。

 

三角形と比の定理について下のことが成立するのを示しました。

 

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このことを用いた定理を紹介します。

 

1つの平面上に平行な3つの直線 a , b , c があります。

 

直線 a , b , c を通るように1本の直線 l をひきます。

 

そうしてできた3つの交点をそれぞれ A , B , C とします。

 

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次に、直線mを、点Aを通り、かつ l と平行にならないようにひきます。

 

また、l と m の交点をD、c と m の交点を E とします。

 

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b / /c より、∠ABD = ∠ACE 、∠ADB = ∠AEC ですから2組の角がそれぞれ等しいから△ABDと△ACEにおいて△ABD ∽ △ACE がいえます。

 

したがって AB : BC = AD : DE です。

 

今度は直線 n を、直線 m と平行に、かつ点Aを通らないようにひきます。

 

a , b , c と n の3交点をそれぞれ F , G , H とします。

 

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すると 四角形ADGF と 四角形DEHG について

a // b , m // n より AF // DG , AD // FG , b // c

b // c , m // n より DG // EH , DE // GH

よって2組の対辺が平行であるから 四角形ADGF と 四角形DEHG はともに平行四辺形です。

 

よって、AD = FG , DE = GH です。

 

2つの下線部より、

AB : BC = AD : DE = FG : GH です。

 

よって下図で AB : BC = FG : GH が成り立ちます。

 

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それを用いることで、下のような線分の長さを求めることができます。

 

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したがって、x = 8 です。