平行線と比
ここでは、相似を用いて辺の長さ、直線の長さを求めることができます。
そのために三角形ABCを用意します。
その △ABC の辺BCに平行な直線をひき、辺ABの間に点D、辺ACの間に点Eをおきます。
このとき△ADE ∽ △ABC が成り立ちます。
そのことを証明します。
△ADE ∽ △ABC より、辺の長さの比について、以下の三角形と比の定理が成り立ちます。
この定理を用いると、次の問に答えられます。
三角形と比の定理を用いると、以下のようにして求まります。
このようにして、辺DEの長さは 6cm であることが分かりました。
三角形と比の定理には「逆」もあります。
三角形と比の定理について、辺ABの間に点D、辺ACの間に点Eをおきましたが、点Dが辺ABの中点、点Eが辺ACの中点であるとき、また別の名で呼ばれる定理が登場します。
それが中点連結定理です。
比を用いて線分の長さを求めることを三角形で行いましたが、今度は平行線で行います。
三角形と比の定理について下のことが成立するのを示しました。
このことを用いた定理を紹介します。
1つの平面上に平行な3つの直線 a , b , c があります。
直線 a , b , c を通るように1本の直線 l をひきます。
そうしてできた3つの交点をそれぞれ A , B , C とします。
次に、直線mを、点Aを通り、かつ l と平行にならないようにひきます。
また、l と m の交点をD、c と m の交点を E とします。
b / /c より、∠ABD = ∠ACE 、∠ADB = ∠AEC ですから2組の角がそれぞれ等しいから△ABDと△ACEにおいて△ABD ∽ △ACE がいえます。
したがって AB : BC = AD : DE です。
今度は直線 n を、直線 m と平行に、かつ点Aを通らないようにひきます。
a , b , c と n の3交点をそれぞれ F , G , H とします。
すると 四角形ADGF と 四角形DEHG について
a // b , m // n より AF // DG , AD // FG , b // c
b // c , m // n より DG // EH , DE // GH
よって2組の対辺が平行であるから 四角形ADGF と 四角形DEHG はともに平行四辺形です。
よって、AD = FG , DE = GH です。
2つの下線部より、
AB : BC = AD : DE = FG : GH です。
よって下図で AB : BC = FG : GH が成り立ちます。
それを用いることで、下のような線分の長さを求めることができます。
したがって、x = 8 です。