しっしーのお計算ん向上委員会

計算の解説に究極特化してます。計算は、すっごくたのしい遊びだよ!!

相似な図形の面積と体積

 

相似の関係にある図形の線分の比を前回、説明しました。

 

線分比の次は面積比、体積比についてやっていきます。

 

例えば下の△ABCと△DEFが△ABC ∽ △DEFであり、その相似比が 2 : 5 であるとします

( AB : DE = BC : EF = CA : FD = 2 : 5 )。

 

f:id:manaveemath:20190116173328j:plain

 

次に点Aから辺BC、点Dから辺EFに垂線AH , DH’ をひきます。

 

△ABC∽△DEF かつ相似比は 2 : 5 より、

AH : DH’ = 2 : 5 です。

 

f:id:manaveemath:20190116173335j:plain

 

△ABCの面積は 1/2 × BC × AH 、

△DEFの面積は 1/2 × EF × DH’ です。

 

また、

BC : EF = 2 : 5 より 5BC = 2EF 、

よって EF = 5/2 BC

AH : DH’ = 2 : 5 より 5AH = 2DH’ 、

よって DH’ = 5/2 AH

です。

 

よって

 

f:id:manaveemath:20190116173343j:plain

 

ですから、△DEFの面積は△ABCの面積の 25/4 倍です。

 

このことを比で表すと

△ABC : △DEF = 1 : 25/4 = 4 : 25

とかけます。

 

よって、△ABC : △DEF = 4 : 25 です。

 

が、4 と 25 はともに別の形で表すことができます。

 

4 = 2 × 2 、25 = 5 × 5 より 4 = 22 、25 = 52 とも書けます。

 

よって

△ABC : △DEF = 4 : 25 = 22:52

です。

 

線分の比が 2:5 なのが面積比では 22 : 52 で、面積比は相似比の2乗に等しくなっています。

 

 

 

2つの四角形が相似であるときも同様に成り立ちます。

 

□ABCD ∽ □EFGH、相似比が 2:3 のとき、下の通りです。

 

f:id:manaveemath:20190116173407j:plain

 

同様にして2つの円が相似で、相似比が m : n のとき面積比は m2 : n2 となります。

 

角が5つ以上の多角形ではいくつかの三角形に分割すればやはり成り立つことがわかります。

 

f:id:manaveemath:20190116173415j:plain

 

よって、一般に相似な平面図形において線分および周りの長さの比は相似比に等しく、面積比は相似比の2乗に等しくなります。

 

 

 

相似比を m : n として線分、周りの長さの比は

m : n 、面積比は m2 : n2 であることを説明しました。

 

では、相似比が m : n である2つの立体の体積比はどうなるでしょうか?

 

「m : n 、m2 : n2 ときたから今度は m3 : n3 ではないか?」と思われたかもしれませんが実はその通りで、相似比が m : n である立体の体積比は m3 : n3 なのです。

 

相似比が 3 : 4 の三角錐P , 三角錐Qを例に説明しましょう。

 

f:id:manaveemath:20190116173422j:plain

 

2つの立体が相似であるとき、その立体の線分比、面積比も相似の関係が成り立ちます。

 

したがって

BCD : △B’C’D’ = 32 S : 42 S

です。

 

点Aから△BCD、点A’から△B’C’D’に下した垂線の長さはそれぞれ 3h , 4h で、また

(三角錐の体積) =1/3 × (底面積) × (高さ)

です。

 

よって、

(三角錐Pの体積) =1/3 × 32 S × 3h = 1/3 Sh × 27

(三角錐Qの体積) =1/3 × 42 S × 4h = 1/3 Sh ×64

となり、PとQの体積比は 27 : 64 、

すなわち 33 : 43 です。

 

このことは直方体や立方体、円柱、球などでも同じことが言えます。

 

一般に相似な立体では、表面積の比は相似比の2乗に等しく、体積比は相似比の3乗に等しくなります。