しっしーのお計算ん向上委員会

計算の解説に究極特化してます。計算は、すっごくたのしい遊びだよ!!

正負の数の乗法

 

次は、正負の数同士での乗法、すなわち掛け算を考えます。

 

尚、○,△ はともに +2 , -3 といった、符号 + , - の付く数です。

 

○ × △ の計算において、○ , △ の組み合わせは下の4通りです。

 

ア、○=正 , △=正 イ、○=正 , △=負
ウ、○=負 , △=正 エ、○=負 , △=負

 

さらに、ア、エのような同符号同士の掛け算、

イ、ウのような異符号同士の掛け算に分けられます。

 

同符号同士の掛け算をパターン(Ⅰ)、異符号同士の掛け算をパターン(Ⅱ)とします。

 

すると、計算結果は下の通りです。

 

ただし、□=絶対値 とします。

パターン(Ⅰ):○ × △ = □
パターン(Ⅱ):○ × △ = - □

 

つまり、同符号同士での積は正の数、異符号同士での積は負の数です。

 

例えば ○= ±4 , △= ±2 とすると下の結果が得られます。

 

ア、(+4) × (+2) = +8 = 8
イ、(+4) × (-2) = -8
ウ、(-4) × (+2) = -8
エ、(-4) × (-2) = +8 = 8

 

正負の数同士の掛け算の結果は上の通りです。

 

しかし、あくまで私が執筆する中学数学教科書の対象は社会人です。

 

おそらくは社会人の99%がある一つの同じ疑問を抱いて生きていることでしょう。

 

「なんでマイナスマイナスをかけるとプラスになるの?」

 

このナゾを、家と会社の行き来を通して解き明かしましょう。


正:家がある方向
負:会社がある方向

 

とします。

 

そして家と会社の間に原点を置きます。

 

現在、自分は原点にいるとします。

 

また、上のパターン ア~エ をそれぞれ以下のシチュエーションとします。

ア、(正)×(正)→「仕事が終わったから家に帰るぞー!」
イ、(正)×(負)→家に帰る2時間前のこと…
ウ、(負)×(正)→「会社行かなきゃ…てゆーかGW10連休の後に働きたくないでござる」
エ、(負)×(負)→「台風直撃してんのにフツー出勤させるk…休みになったイェーイ!」

 

では、数直線を用いて考えましょう。

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…つまり、○ × △の ○ の符号は

+:体を家に向ける、 
-:体を会社に向ける

 

とみなし、△ の符号は

 

+:前に進む
-:後ろに進む

 

と考えればokです。

 

(-4)×(-2)は「体を会社に向ける。しかし後ろに4だけ進む、それを2セット」という意味なので結果的に家に向かってきます。

 

だからマイナスにマイナスをかけるとプラスになるのです。

 

 


それでも分からない?

 

じゃあ、マイケルジャクソンがムーンウォークするのを想像して下さい。

 

左を負の方向、右を正の方向とします。

 

まず体を負の方向に向けました。

 

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このときムーンウォークするとマイケルは左にいますか?それとも右にいますか?

 


○ × △ の △= -1 の場合、方向転換して同じだけ進む、ということを示しています。

 

したがって ○ ×(-1)の答えは ○ の符号を変えたものです。

 

例えば 6×(-1)= -6 , (-2)×(-1)=2 です。

 

また、二つの正負の数の乗法ではかけられる数とかける数を入れ替えても答えは変わらない、すなわち乗法の交換法則が成り立ちます。

 

他にも

 

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のように、掛け合わせる順序を変えても答えは変わらないという、乗法の結合法則も成立します。

 

掛ける数が複数ある場合、- が奇数個なら -□ 、偶数個なら+□=□ が答えとなります。

 

あっ、偶数とは2で割れる整数、奇数は2で割れない整数のことですよ。

 

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同じ数をいくつかかけることを表すとき、指数を用います。

 

例えば 5×5=52 , 2×2×2=23 であり、52 の2、23 の3のようにかける数の右肩に小さく書いた数が指数です。

 

2 は「○のじじょう」、△2 は「△のさんじょう」と言います。

 

また、2乗を平方、3乗を立方とも言います。

 

そういえば算数で面積を求める時に「~平方センチメートル」、体積を求める時に「立方センチメートル」とか出てきましたね。

 

同じ数を2個3個に限らず、いくつかかけたものを累乗と言います。

 

平方や立方、つまり2乗や3乗は累乗の一部です。

 

累乗が出てくるものについて、何を何回かけるかで答えが変わってきます。

 

例えば  { (-3) } 2 と- 32

 

それぞれ次の通りです。

 

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したがって、

 

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です。

 

今までの話は分数や小数でも当てはまります。

 

例をあげると

 

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というようになります。