モンハンと日本神話の関連考察
モンハンには一部、日本神話からインスパイアされただろ、と言いたくなるようなものがあります。
これから、それらを述べていきます。
ダラ棍の武器銘は渾然一体の薙刀ヤマタですがその「ヤマタ」とは八岐大蛇(ヤマタノオロチ)のことです。
八岐大蛇は顔と尻尾が8つあり複数の山を跨ぐ程の大きさを誇る大蛇で、スサノオノミコト(とかいう、アマテラスオオミカミ姉ちゃんの神殿だかにウ〇コしたドお下劣な弟)に討伐されました。
討伐した後、尻尾をモンハンでいう剥ぎ取りをしたら刀が出てきてそしてそれは草薙剣と名付けられました。
・・・さて、ヤマタを作るのに何が要求されただろうか?
そう、蛇王龍の尾殻である。それは生産からヤマタ強化まで6つ要求され、その尻殻は尻尾切断剥ぎ取りと下半身部位破壊でしか入手出来ない。
だから作成する際のストッパー素材となり、みんな「何で尻殻が要求されるんだ」と思ったのではなかろうか。
私は、その答えを日本神話から見出した。
ダラ・アマデュラを彷彿とさせる八岐大蛇、その尻尾から草薙剣が出てきたからそのことになぞらえて尻殻を使うように設定された
が真相だろう。
だが、八岐大蛇は、川の治水を日本神話ナイズしたものという説もある。
「八岐大蛇は顔と尻尾が8つあり」と書いたが、これを複数の川の流れと同一視し、八岐大蛇討伐=氾濫する川の治水をしたと見るのだ。
この話のフィールドは西日本あたりでそこからは金属が採れるそうだ。
草薙剣は金属で出来ている、ということは
=
川の治水に成功し、安定して金属の採取に勤しめた結果金属を入手した
という方程式が成り立つ。
しかし、
川を治水すること=ありのままをいじり、自分たち人間に都合の良いように変える
とするとモンハンで重要視される「龍」、その東洋西洋認識論的にも興味深い考察が出来る。
そもそも、人間は古来より、
龍(ドラゴン)=自然
と考えており、
西洋:征服されるべきもの
東洋:敬い、自分たちと調和させるべきもの
と分かれている。
その理由は西洋東洋それぞれの食料確保手段の違いにあるだろう。
西洋は主に狩猟を主な生業をしている狩猟民族で、天気地形環境が悪かったらまともに行えない。
だから自分たちが自然を征服しないと生きていけない。
一方、東洋は農耕民族で、食料確保にはどうしても水が必要になる。
だから自然をなだめ、自分たちと合わせていこうという思考になっていった。
モンハン世界では東洋寄りな思考をしており、人間、モンスターを自然と調和させていこうと考えている。
そういう理由から無闇やたらとモンスターを狩るハンターをギルドは罰するのだ(個体数の少ないモノブロスがソロ限定なのはココット村村長伝説だけが理由ではないのだ)。
しっかーし!!
多くの人が黒き伝説・ミラボレアスを狩猟しているだろうが、そうなると話は変わってくる。
ミラボレアスも古龍種であり、古龍種とは自然現象がモンスターに具現化された存在である。
例えば
キリン=雷、クシャルダオラ=嵐、
バルファルク=彗星、ネルギガンテ=破壊と再生
のように。
このように自然の一部が一古龍にあてがわれてるのだがミラボレアスだけは違う。
ミラボレアス=自然
なのだ。
そのミラボレアスをハンターは討伐する、ということはハンターは自然を討伐することと同義である。
自然の象徴たる黒龍を打ち払ったその瞬間、今まで東洋的思考をしてたのが西洋的思考に切り替わってしまう。
矛盾を成立させる存在はほとんど無いのだが、例外を挙げるとすればそれはモンスターハンター世界のハンターだろう。
・XXの特殊許可クエスト岩穿狩猟依頼G5
このクエストの登場モンスターの順番をご存じだろうか。
である。
ウルクススの途中でザボアが来て乱戦になった人は少なくないだろう。
がそんなことよりもなぜ
と考えたことは無いだろうか?
モンスターの登場順番があのように設定されているのは、
大雪主ウルクススのモチーフたる因幡の白兎の辿ったストーリーを描いてるから
である。
日本神話の中には「大国主の建国」がある。
その大筋を説明する。
あるところに、須佐之男命(スサノオノミコト)は娘である須勢理毘売命(スセリビメノミコト)を結婚させようと婿を探しました。
スセリビメノミコトはめっちゃ美人なので多くの男から求婚されます。
その中にオオナムジ一家の兄弟達、八十神もいます。
八十神兄たちは顔もまあカッコイイし力もまあまあある、一方でオオナムジ、顔は普通くらい(よりちょい下?)だし力もまあ、ありませんのでいっつも兄のパシリをさせられていました(だからオオナズチはあんなブサイクなツラをしてr記事作成者はオオナズチの強烈なベロビンタを喰らって3乙しました)。
危っぶね報酬金保険あって良かったという茶番は置いといて。
要するに、兄はスクールカーストのてっぺんに位置する奴、
オオナムジはスクールカーストの底辺にいる奴なのです。
なのでオオナムジは兄達の荷物を持たされてました。
だから移動速度も大剣を抜刀しながら歩いてるくらい遅く、順番的にも求婚できるのは最後になってしまいました。
ですが兄を追いかけてる途中で見つけたのです、
何者かによって背中をズタズタにされてしまった白いウサギを。
話を聞くとどうやら
「島から本土に渡ろうとした、だからワニ(実際は鮫)を騙したら背中を喰われまくった」ために大ケガしてしまったようです(だから自業自得であるのだが)。
白ウサギは兄達にもヘルプしたのですが「背中に海水をつけると治る」というサディスティカルさがダダ洩れなウソのアドバイスを真に受けてしまったため、めっちゃ痛い痛いしていました。
なのでオオナムジは正しいアドバイスとして
「まず体を水で洗って火属性やられを治す蒲(ガマ)の草を採取し、その上を転がって花粉を付ければ治る」
を与えました。
そしたら治り、白ウサギはオオナムジに「あんたあのべっぴんさんと結婚できるで」と言い残し、どこかへ去っていきました。
その後オオナムジはゾラ・マグダラオスよりも大きい紆余曲折の末にスセリビメノミコトと結婚、オオクニヌシに改名し、そして国を作りましたとさ。
以上が「大国主の建国」です。
お手数だがもう一度、動物や植物の登場順番に注目しながら流し読みして欲しい。
すると
因幡の白兎、ワニ(鮫)、蒲
の順に出現していることが分かるだろう。
また、蒲は「がま」とよみ、ガマはガマガエルも意味する。
テツカブラからは「カワズの油」が入手でき、暗に
テツカブラ=ガマガエル
を意味している。
・・・もうお分かりだろう、大国主の建国神話では動植物に注目、意味するものを変えるとまんま
ワニ(鮫)=ザボアザギル(化け鮫)
蒲(ガマ)=岩穿テツカブラ
の順になっている。
だから岩穿G5では
の順に登場するのだ。
ちなみにオオナムジは後に兄によって2度殺される(カイジシリーズのEカードで出てきた「奴隷は二度刺す」かよ)。
その度に奥さんの助力、そして自分自身の勇気によって困難を跳ね除け、見事国を建国する。
つまり、「大国主の建国」とは、
スクールカースト底辺による
大逆転サクセスストーリー
なのだ(つまり出川哲朗さんがあのべっぴんさんと結婚出来たようなもの)。
文系に限らず、理系も一工夫加えれば勉強に対する意欲も増すというものではないか。
しかし、日本神話を知ってる人なら手を放して喜べないだろう。
あの悲劇がオオクニヌシに襲い掛かるからである。
ざっくり言うと
天照大神「お前の国よこせや」
大国主「いやじゃ」
天照大神「部下派遣して滅ぼさせるわ」
なことが起き、大国主の建てた国は天照大神(厳密には建御雷命)によって滅ぼされてしまった。
これで終わり、ではなく後にオオクニヌシは怨霊として祟り、それを鎮めるために神社が建てられた。
その神社こそ、出雲大社なのだ。
が、しめなわの向こうに座するのは実は天照大神の配下で、自分が北を向いてるとしてオオクニヌシは隔離されて西の方向を向いているという話がある…。
だから本当に大国主に参拝したいのであれば、しめなわを正面に取ってその後右を向かなければならない…。
その時は四(死)礼四拍手二礼ではなく二礼二拍手一礼をなさいましょう…。