しっしーのお計算ん向上委員会

計算の解説に究極特化してます。計算は、すっごくたのしい遊びだよ!!

1123160、そのマリルリ数列を求める

 

タイトルにあるマリルリ数列とは、あるべき「運命」に打ち勝ち、とある偉業を成し遂げた実況者にかつて降りかかった悲劇のことである。

 

その偉業を成し遂げた実況者とは他でもない、

Joy Joy MAXさんである。

 

彼は主にポケモン不思議のダンジョン、その中でも高難易度のダンジョン攻略実況を行っている。

 

だがいろいろ具体的に述べる前にそもそも『ポケモン不思議のダンジョン』とは何なのか、その概要を説明する。

 

詳しくはニコニコ大百科のこの記事(これに限らず、ゲームなどはwikipediaよりニコニコの方が詳しい)を一読してほしい。

 

 

 

ざっくりいうと自分がポケモンを操作してプレイする毎に地形、道具、敵などが変わる、ダンジョンと呼ばれる場所を探索するゲームである。

 

有名どころに風来のシレンシリーズがあるがそれをポケモンナイズしたものが『ポケモン不思議のダンジョン』(以下、ポケダンと表記)である、という認識で構わない。

 

それは今までに、

青 / 赤 の救助隊

時 / 闇 / 空の探検隊

炎 / 嵐 / 光の冒険団

マグナゲートと∞迷宮

不思議のダンジョン

の5シリーズがリリースされている。

(救助隊DX発売おめでとう!!!)

 

そのなかで自分がやったことがあるのは

青、時、空

である。

 

それぞれの5シリーズ評価は後に譲るとして話を進める。

 

ポケダンには様々な難易度のダンジョンがあるが、一部本家ポケモンでレベルが最初は1であることを踏まえてLv1からスタートするダンジョンがある。

 

それらはただLv1スタートだけのものや道具、お金が持ち込めないなどの制約、などのより高難度と化したものもある。

 

そのなかでポケダンシリーズ全体で最難関と考えられるダンジョンが「うんめいのとう」である。

 

なぜなのかはこちらに懇切丁寧に書いてあるので未プレイ者でもなんとな~く察することが出来るかもしれない。

 

ちょっと攻略記事に目を通す、あるいは実際に突入してみれば即座に「あっ・・・すぅー…」となるダンジョンであり、わざ、とくせいなどから攻略に適しているポケモンこそいるものの(フワライド、ミカルゲロトム)、道具、罠、モンスターハウスの有無といった、運に左右される要素次第ではあっけなく失敗してしまう。

 

要するにどのポケモンであっても確実に攻略できる保証がどこにもないしやりこんでる上級者であってもクリアできるかどうか分からない、うんめいのとうとは、そういうダンジョンなのだ。

 

操作可能な492匹のポケモン(第1~4世代の、アルセウスを除くポケモン全て)の中でもこちらでJoy Joy Maxさんが操作したアンノーンはオススメ度ワースト22に入るくらい推奨されないやつだ。

 

そのようなポケモンでなんと、約1年にわたる挑戦の末にクリア達成できたのだから号泣することは当然の帰結であったと言えよう(後々ターニングポイントなどをフワライドミカルゲのみのクリアながら踏破経験のある筆者が説明する)。

 

 

 

うんめいのとうより難易度は落ちるが青 / 赤の救助隊には「しあわせのとう」というダンジョンがある。

 

そこはLv1スタートお金持参禁止のダンジョンであり、あのとき青赤でのLv1ダンジョン3強の1角、カクレオンで挑戦した。

 

Joyさんのプレイング、カクレオンが強いこともあり順調に探検は進んでいた。

 

モンスターハウスを引き当ててしまうも、何とか切り抜けることができた。

 

しかし、「その時」は突然やってきた・・・

 

もうお分かりだろうがこちらを見ていただきたい。

 

 1 : 05 頃、絶対にあってはならない事件が勃発してしまった。

 

 50Fくらいから敵はめちゃめちゃ強くなるが、私の見る限りあのレベルは適正であった。

 

だからふつう、連続攻撃技を5回も受けてもやられることは無い。

 

だが今回受けたのは「ころがる」という技であり、そこにマリルリのとくせい「ちからもち」が加わり、ああなったのだ。

 

・・・本家ポケモンシリーズ『ポケットモンスター金・銀・クリスタル』をプレイしたことはあるだろうか?

 

ジョウト地方のジム、そのなかで3番目に位置するコガネジムでのジムリーダー・アカネはピッピとミルタンクを繰り出してくる。

 

さっきアカネとミルタンクを強調したが人によっては思い出したくないものを思い出してしまったのではないか?

 

そう、アカネのミルタンクである。

 

自分も苦しめられたが、今となっては脳みそが勝手に思い出さないように記憶を消してくれたようだ。

 

主な原因は「ころがる」という技なのだがそれは

・最大で5回連続攻撃

・一度命中する毎に、わざの威力が倍増する

という特徴があり、今回はその最大の5回、命中してしまった。

 

「でもレベルは適正だったんでしょ?」とお思いになられたかもしれない。

 

たしかにレベルに問題は無かった。能力も申し分なかった。 

 

 しかし、よりによって最後でとくせい「ちからもち」が発動してしまった。

 

念のためにとくせいについて簡単に触れるが乱暴に例えると、

とくせい = スキル

である。

 

特定のタイプのわざを強くする、攻撃してきた相手をまひ状態にする、出てきたら相手の攻撃力を下げるetc・・・があるがそのなかでマリルリが持っているのは「ちからもち」。

 

その効果は、接触攻撃に含まれるわざを強くすることである。

 

ポケモンの攻撃には厳密には接触攻撃と非接触攻撃の2つに分けられるがとりあえず

「ころがるは接触攻撃であり、更にとくせい・ちからもちの効果が発動すると強くなるわざである」

という認識で構わない(だから6世代でフェアリータイプを持ち、同タイプの接触攻撃じゃれつくを会得したことでレートではドラゴンタイプ達を阿鼻叫喚に陥れた特にサザンドラ)

 

その効果はポケダンにも適用されており、

・最大の5回を引き当てた

・その威力が最大となる5回目でちからもちが発動した

この2つが同時に発生したことで、しあわせのとうにてふしあわせなる事象が起きてしまったのだ。

 

そしてこのことから

数列 : 1 ,1 , 2 , 3 , 160 ,・・・

を、マリルリ数列と呼ぶことになったという…。

 

 

 

・・・上の数列を見て既視感を覚えた人が少なからずいるだろう。

 

最後の 160 はともかく、その前4項はまんまフィボナッチ数列なのだ。

 

そのこともまたマリルリ数列を印象付ける一因になったと考えられる。

 

だが、当然それはマリルリ数列であってフィボナッチ数列ではない。

 

なぜならフィボナッチ数列ならば 3 の後ろに 5 が来なければならないからだ。

 

 にもかかわらず実際に 3 の後は 160 である、ということはフィボナッチとはまた別の式で表される。

 

その数列を実際に求めようじゃないか。

 

そう思い、だからこの記事を書くことに決めた。

 

 とは言ったものの、私が一般人だったらそう思うだけで進展は無かった。

 

だが私は、数学、特に高校数学までの計算を趣味としている異常者である。

 

計算のみならず数学の記事をひたすら閲覧しているときもある。

 

その中で見つけたこちらの記事が(数学感動秘話→投稿目次はこちら→真ん中の上寄り、上から44番目『文系・理系の判別』)解決の糸口を与えてくれた。

 

要するに、

数列をn次関数と見て

( 1 , 1 ) , ( 1 , 2 ) , ( 2 , 3 ) , ( 3 , 4 ) , ( 160 , 5 )

を通る関数を求めればよい

ということだ。

 

 

では実際に、 1 , 1 , 2 , 3 , 160 ,・・・となる数列を求める。

 

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途中に5元1次連立方程式が登場するが、原則中の大原則たるワンルール、

連立方程式はとにかく1文字消去

を守ればただ計算がメンドイだけの計算問題になり下がるのだ。

 

まあ、2015年センターではそれを忘れた受験生が少なくなかったため、こういうことが起きてしまったのだが。

 

今回の計算は別段ツライとは思わなかった、だって円周率を小数第3位まで電卓縛り完全手計算で求めたことあるもん。

 

 

後半、求めた値を使って検算している。

 

数列は検算がカンタンな分野のひとつである。

 

だから等差等比階差のみならず漸化式を求めたら必ず1 , 2 , 3などの具体的な数を代入するように心がけよう。

 

 

 

・・・で終わったら面白味が無いやん。

 

あのですね、上にある解説は、言うなれば問題集、解答速報、赤本、知る人ぞ知る電話帳などに掲載される、編集版でしか無いんですよ。

 

あといろいろと「代入すると」で片付けられているので本当に検算しているのか疑問に思う人が出てくるかもしれない。

 

また、ごく一部の人に

「計算向上を謳うくせに電卓で済ませてその計算を省いてる、どうせ口だけなんだ」

と思われるのもなんかシャクなので実際に計算した証拠を載せます。

 

「」は必要な論述、「」はただの計算、読み飛ばしても構わないところです。

 

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途中出てきたわがまま引き算とは繰り下がりの必要ない神引き算法です。

 

分母が大きいから厄介な事になるのでは、と危惧しましたが分母が 12 と 24 しか無いこと、24 は 12 の倍数であることが幸いして割とマシな計算に落ち着きました。

 

最後の n = 5 代入時が最もツライだろうと予想していましたが蓋を開けてみれば、10の倍数がちょくちょく出てきたのでそのおかげで計算量が抑えられました。

 

まあ、予想が外れるということはちゃんと見通せていないことでもあるのですが。

 

きっと自分がするべきことはみとおりょくじまんではなくみおとりょくじまんなのだろう。