比例
前回、年収が400万として、勤務年数がx年のとき総収入はいくらになるか?を調べました。
(総収入)=(年収)×(勤務年数)
ですから、総収入をy万円とするとxとyの関係は
y=400xと表されます。
yがxの関数で、y=ax が成り立つとします。
このときyはxに比例する、と言います。
一定の値やそれを表す文字を定数といいます。
y=ax のaは定数で、このaを比例定数といいます。
要するに
「yはxのチョメチョメ倍」の「チョメチョメ」
=比例定数
です。
また、比例定数やxの変域は負の値を取ることが出来ます。
つまり、 a < 0 になったり x < 0 になっても大丈夫です。
今、あなたが会社と家の間にいるとします。
また、会社へは車で通勤しているとします。
家へ毎時60km(そういえば一般車道の法定速度は60km/hでしたね)で走らせ、その車が地点Pを通ってからx時間後に地点Pからykm離れたところにいます。
家のある方向を正の方向とすると、xとyの関係は
y = 60x と表されます。
地点Pを通る1時間前について、
「1時間前」=「-1時間後」
です。
よって y = 60x のxに(-1)を代入して
y = 60 ×(-1)= -60 です。
この式は地点Pを通る1時間前、車は地点Pから左へ60kmの位置にいたことを意味します。
今度は比例定数が負の数の場合を見てみましょう。
a = -4 のとき y = -4x です。
xに色々代入します。
したがって、比例定数=負の値 あるいは xの値=負の値 であっても比例定数=正の数の時と同じように、xが2倍、3倍、…となるとそれにともなってyの値も2倍、3倍、…となります。
私たちは算数や数学、あるいは会社でプレゼンなどをする時にグラフを用います。
そのグラフでは、x , y は負の数をも取ります。
負の数を考慮するときは、下のグラフを用います。
仮に、点Pが下の位置にあるとします。
上図の点Pの位置を示すには、点Pからx軸、y軸に垂直にひいた直線がx軸、y軸と交わる点の目もり4と3を読み取り、(4,3)と書きます。
このとき4を点Pのx座標、3を点Pのy座標といいます。
また、点PをP(4,3)とも書きます。
また、原点Oの座標は(0,0)です。
点A (2,3) , 点B (-1,-2) を下のグラフに示してみます。
点Qを下の四角形の中にかきます。
点Qは四角形内のどの部分にありますか?
「左上にある」「上にある」「左にある」…などが挙げられるでしょう。
いずれも間違いではありません。
ですが何通りもの解釈が出てきてしまいます。
自分は左上にあると思ったが相手は上にあると思っていた。
みたいに考えたことが互いに違っていた、という事態が起きてしまいます。
…一度はあるでしょう。
業務X,Yを相手に振るも向こうはXだけやれば良いと思ってたがために業務Yはやっておらず自分が期限ギリギリになって片付けたみたいな事が。
それは自分と相手に解釈のズレがあったから起きたのです。
自分は点Qは左上にあると思ったが相手は上にあると思ってた、みたいに。
行き違いを防ぐには自分と相手とで解釈がピタリ一致しなければなりません。
点のある場所においてそれを統一するための道具、それこそが座標なのです。
上の四角形の中に座標軸を書き込みます。
では改めて聞きます、点Qはどこにありますか?
…今度はみんなが(1,3)と答えるでしょう。
関数 y=ax の a > 0 , a < 0 のときのグラフをかいてみましょう。
まず y = 2x でやってみます。
y = 2x のxに様々な値を代入します。
x = 2 のとき y = 4 , x = 3 のとき y = 6 …となるように点を座標平面に打ちます。
要するに、 y = 2x を満たすx , yの値の組 ( x , y ) をひたすら多くとると、最終的に点の集まりは1つの直線を作ります。
そうして出来た直線が y = 2x のグラフです。
今度は、 y = -x ではどうなるでしょうか。
xに色んな値を代入します。
したがって y = -x のグラフは下の通りです。
一般に、比例するグラフ y = ax は、xが0のときyも0になります。
ですから原点と原点以外の一点が分かれば
グラフ y = ax は図示できます。
y = (3/5)x のグラフをかいてみましょう。
y = (3/5)x は x = 0 のとき y = 0 , x = 5 のとき y = 3 です。
したがってグラフは原点 ( 0 , 0 ) と点 ( 5 , 3 ) を通る直線です。
よってグラフは下の通りです。